保育AIで写真業務時間を削減～実現した保護者との深いコミュニケーション～

はじめに

近年、保育業界ではICTやAI技術の導入が進み、保育者の業務効率化や保育の質の向上に貢献しています。本コラムでは、ルクミーを導入された保育施設の事例を通して、ICTや保育AIによる効果や保育現場の変化についてご紹介します。

今回は、小学館アカデミーつなしま保育園園長の島田先生と事務兼写真担当の伊藤先生にお話を伺いました。

ルクミー導入前の課題とICTやAIへの期待について

島田先生：ルクミー導入前は、写真管理に膨大な時間がかかっていました。パソコンのフォルダ容量にも制限があるので、カメラから写真を移す作業も大変でしたし、保護者向けの販売写真の選定・転送作業や園で保存している写真の整理作業に数日かかることもありました。

ICT導入を検討し始めたのは、新型コロナウイルス感染症が広がり始めた2019年頃です。それまでは手書きの文化が主流でしたが、感染症の影響でオンラインでの情報共有の必要性が高まり、業務効率化の重要性を痛感したことが大きなきっかけとなりました。

ルクミーには、写真管理の効率化はもちろんのこと、保護者とのコミュニケーションの円滑化や、保育者の業務負担軽減といったメリットを期待していました。特に、AIが自動で写真チェックを行う機能など、これまで手作業で行っていた業務をAIが代替してくれることへの期待が大きかったです。

ICT導入から活用までの取り組みと工夫

島田先生：事務室にルクミーの操作マニュアルを設置し、必要なポイントだけを簡潔に説明するように心がけました。また、職員会議の場で実際にルクミーを試してもらう機会を設けて、少しずつ操作に慣れてもらうように働きかけました。いきなり完璧を求めるのではなく、少しずつ、できることからというスタンスで、職員の習得に合わせてサポートを進めました。

写真業務におけるメリットと具体的な活用場面

伊藤先生：写真業務においては、大きな変化とメリットを感じています。

いままで数日かかっていた写真の整理・転送作業が、ルクミーのAI機能を活用することで大幅に効率化されました。特にルクミーフォトの「ばらつきチェック」「顔認識機能」「自動写真チェック」といった機能で、写真選びにかかる時間が劇的に変わりましたし、写真チェックに現場の先生たちの時間を使うことなく、事務室の職員だけでほとんどの作業を完結できるようになりました。

写真販売については、以前使用していたツールでは販売状況が把握できませんでしたが、ルクミー導入後は販売開始日や終了日のメール通知機能があるため、保護者の購入状況を把握できるようになりました。どんな写真が人気なのか、どのようなイベントの写真が購入されやすいのかといった傾向も見えるようになり、保護者が喜んでくれる質の高い写真提供に繋がっています。

先生がスマートフォンで撮影した写真はすぐにパソコンへ連携されるので、私（写真担当者）がリアルタイムに確認しています。

動き回るこどもを撮影してブレてしまった写真は「自動写真チェック」ですぐに確認できますし、「ばらつきチェック」でクラスで足りない写真や撮影枚数が足りないこどもを把握できるので、直接担任へ伝えて撮影時の軌道修正もすぐにできるようになりました。

デジタルならではの利点を最大限に活用することで、写真管理の負担が軽減されるだけでなく、保護者へ共有する写真の質も向上しています。

ルクミーがもたらした保護者コミュニケーションの嬉しい変化

島田先生：園の職員全員がこどもたちの写真を見られるようになり、全体でこどもたちの成長を共有できるようになったことで、保護者との会話がより一層弾むようになりました。「〇〇ちゃん、先日こんな遊びをしていましたよ」と、その時の様子を写真と一緒に伝えられるので、保護者もこどもの様子が鮮明にわかると安心感や信頼感にも繋がっています。

また、園児募集の際、保護者にICTシステムの利用をアピールできるようになった点でもメリットがありました。最新テクノロジーを活用していることは、選ばれる園となるための魅力的な要素だと感じます。