保育ICTラボ事業

【保育ICTラボ事業】ICT導入で紙54%削減!週末の持ち帰りがゼロになり「週休3日制」に挑む園が実践した「こどもの自己肯定感を爆上げする」地域連携の秘密

2025年11月18日

保育ICTという取り組みがこの業界で始まってから、およそ10年弱が経過しました。今、私たちは単に業務をデジタル化したという段階から、「次なる一歩」として、保育の質向上と、未来の保育者にとって魅力的な職場づくりにどう繋げていくのか、という新たな課題に直面しています。

こども家庭庁の保育ICTラボ事業では、この課題に応えるため、単なる業務負荷の軽減だけではない、先駆的で意味のあるモデルケースの創出を全国約12箇所で進めています。

今回の事例は、業務効率化の成果に加え、こどもたちが地域や社会と繋がり、自らの行動が未来のこどもたちや困窮する保護者たちを助けるという、感動的な「循環」を生み出した挑戦です。この取り組みが、未来の保育者やこどもたちにとって意味のある新しい挑戦へのヒントとなることが期待されています。

【まとめ】

  • ICT導入から10年を経て、次の目標は業務軽減だけでなく、保育の質の向上と、将来の保育者にとって魅力的な職場づくり
  • ICT導入で紙の使用量は約54%まで減少し、土日の連絡帳業務がなくなり、週休3日制へのチャレンジも検討可能に。
  • 現場の最大の課題はアナログとデジタルの「混在」。思い切ってデジタルに振り切ることも重要。
  • 地域連携プロジェクトで、こどもたちがイチゴの発芽率7割を達成し農家を驚かせた。
  • こどもたちが描いたデザインが社会貢献(寄付)に繋がり、ものすごい自己肯定感と自信に直結。
  • 国が推進する「こども誰でも通園制度」の導入により、非就労世帯も月10時間利用可能に。

1. 業務革命:紙54%削減と「週休3日制へのチャレンジ」が示す未来

ICTを導入したことで、現場には劇的な変化が起こっています。具体的なデータとして、ある園では紙の消費量が約54%削減されました。

紙が少なくなることの直接的な効果は、先生たちが保育に集中して向き合う時間が増えていくことです。さらに、連絡帳などの業務のために土日に仕事を持ち帰る必要がなくなり、今や週休3日制にチャレンジできるという水準にまで業務効率化が進んでいることが示されています。

しかし、業務負荷を真に軽減するためには、乗り越えるべき課題があります。現場の先生方にとって最も煩雑さの原因となっているのは、実はアナログとデジタルが混在している状況なのです。この混在こそが一番面倒であり、一度思い切って「デジタルに振り切る」ということも大切なのではないか、という見解も示されています。

2. 地域連携の衝撃:こどもたちが達成した「発芽率7割」と「みんなハッピーな循環」

今回のモデルケースの最も特徴的な挑戦は、地域(イチゴ農家)や他業種と連携し、こどもたちの活動が社会に繋がっていくプロセスを体験させる仕組みを構築した点です。

このプロジェクトは、イチゴの種(ツブツブ)からは甘いイチゴが育たない(ランナーから育つ)という「間違い」を学ぶことからスタートしました。にもかかわらず、こどもたちはイチゴの種を育てることに真剣に挑戦。通常、イチゴの種の発芽率は約30%と言われる中、こどもたちはなんと7割もの発芽率を達成し、農家の方を驚かせました。

この「頑張ったな!」で終わらなかったのが、この事例の素晴らしいところです。

  1. 社会貢献のデザイン: こどもたちがイチゴの箱のデザインを担当しました。
  2. 感動の寄付: この箱代10万円のうち、企業が7万円を負担し、その7万円を困窮するお母さんたちへの寄付に充てるという、前例のない仕組みが作られました。
  3. 自己肯定感の爆上げ: この活動の結果、ある年には11万円の寄付が実現しました。こどもたち自身が声を上げ、表現したことが社会に繋がっていく経験は、ものすごい自己肯定感と自信に繋がるのです。

この事例は、こどもたち、先生方、地域、すべてが喜ぶ「みんなハッピー」な循環の実現がいかに重要であるかを示しています。

3. 未来を見据える:初めての不安を解消する「こども誰でも通園制度」とICTの役割

現在、保育業界は大きな制度改革の真っただ中にあります。その一つが、国を挙げて推進されている「こども誰でも通園制度」です。

この制度では、両親が働いていなかったとしても、月10時間程度の範囲内で保育施設を利用できるようになります。特に、0歳児を含めて利用可能であり、国からの費用負担も伴う、画期的な制度です。

初めてこどもを保育施設に預ける保護者にとって、不安はつきものです。もし「こども誰でも通園制度」のような仕組みがあれば、まず少しの時間でも預けてみて、「こどもが親元を離れたところでどのような生活をするのか」という経験を試すことができます。ICTの活用は、こうした新しい制度の下で、保護者の不安を軽減し、柔軟な保育体制を支える重要な基盤となることが期待されています。

結びに:モデルケースが示した「時間」と「自信」の好循環

今回の栃木市のモデルケースが示したものは、単なる業務効率化に留まりません。

保育ICTの導入により、紙の使用量を約54%削減し、土日の持ち帰り業務をなくしたことで、先生方は「週休3日制へのチャレンジ」さえ検討できるほどの、保育に向き合う時間と精神的な余裕を劇的に創出しました。

この創出された時間こそが、保育の質の向上を実現するための鍵となりました。地域連携プロジェクトを通じ、こどもたちの描いたデザインが困窮する保護者たちへの寄付に繋がるという「みんなハッピー」な循環を生み出し、こどもたち自身が「自分たちの行動が社会に繋がる」というものすごい自己肯定感と自信を得る経験ができたのです。

保育ICTラボ事業が目指すのは、未来の保育者にとって魅力的な職場づくりと、未来の社会を生きるこどもたちの成長への貢献です。この事例は、デジタル技術が単なる道具ではなく、保育者が本質的な保育に集中し、こどもたちの可能性を最大限に引き出すための基盤となることを証明しています。

国が推進する「こども誰でも通園制度」のような新しい保育の形が始まる今、このモデルケースが、全国の保育施設にとって、次のステップへと進むための重要なヒントとなることを願っています。

保育の未来を切り拓く、挑戦の全貌を動画でチェック!

今回の記事では、保育ICTラボ事業の先駆的な取り組みの一部をご紹介しました。

認定こども園さくらでの先生方の働き方改革の裏側や、こどもたちの感動的な地域連携プロジェクトの詳しい様子など、保育の質向上を目指す挑戦の全貌は、ルクミールームで公開中のフルバージョンの動画にてご視聴ください。


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